バンドマンから独学でデザインの世界へ。その後はランダムアーティストとしてアプリをプロデュース。
そんな異色な経歴を持つ稲沼 竣さんの座右の名は「今マジになる」だ。
この記事では波乱万丈の人生を生きる稲沼さんに3つのテーマを中心にインタビューを行いました。
- 独学でWebデザイナーになるために大切なこと
- 好きなことで生きるとは?
- フリーランスを目指す若者へ喝!
稲沼 竣
合同会社IMAGINAL代表。デザイナーとして独立。その後、ランダムアーティストとして活動を始め、ランダムグルメアプリ「SHACA SHACA!!」は1万DLを突破する。
泣きながら機材を売ってバンドマンからWebデザイナーへ
ーー稲沼さんがWebデザイナーになったきっかけを教えて欲しいです!
稲沼:あ、最初に言っておくと、僕は絵が好きなわけでも、デザインの学校を卒業しているわけでもありません。全部独学です。
とにかく昔から目立つのが好きで、それをデザインという形で表現していったら仕事になりました。
ーー独学なんですね!なぜ「目立ちたい」という思いからデザインに行き着いたのでしょうか?
稲沼:僕は小学生の時から「クラスに1人はいるお笑いキャラ」だったんですよ。だから最初はお笑い芸人になろうと思ったんですけど、大学受験の時にそれはちょっと違うなって思って。
その後、大学のアメリカ留学をきっかけに音楽に出会ったんですよ。もうアメリカ人って本当にクレイジー!ライブ中に客席にダイブしたりするから!
当然のごとく俺もバンドを始めて…
ーーあの…いつになったらデザイナーの話になるんですか?(笑)今のところ全然関係ないですが。
稲沼:ごめんごめん(笑)デザインに最初に触れたのはバンド活動のチラシ作りなんです。お金なかったから、そういうのも自分でやってたんですよ。当時20〜21才くらいですね。
全然仕事にするつもりはなかったんですけど、先輩バンドマンから「うちのチラシも作ってよ!」と頼まれることが増えていったんです。
ーーそこでデザインとつながるんですね!しかし、音楽を辞めてデザインにシフトしたのはなぜですか?
稲沼:シンプルにデザインが好きでした。だから音楽&デザインで食っていこうと思ったんですけど、それは上手くいかなくて。
その時に考えたんです。
「音楽とデザイン、俺はどっちの方が人の役に立つだろう?」ってね。
残念ながら俺の音楽は人の役には立ってなかった。
だから、俺が選んだのは音楽。
次の日に機材を全部売りました。あの時は泣いたなぁ。
一点突破!稲沼流、独学でWebデザイナーになる方法
ーーデザインは全部独学と聞きしたが、具体的にどんな勉強をされたのですか?
稲沼:とにかくデザインだけに集中しました。もう異常ですよ。
朝早く起きて、バイトの前にデザイン。バイトの休憩中もみんなで食べないで、公園行ってパソコンいじる。バイト後もすぐにカフェに行って、夜寝る前までやるみたいな感じです。
しかも「バイトはギリギリ生活できるくらいしか稼いじゃダメ!」っていう自分ルールがあったので週3しか入ってなかったです。
ーーまさに一点突破ですね!
稲沼:本当にそれです。そもそも独学とか美大卒とかあまり関係ないんです。いかにデザインに対してマジになれるか。本当にそれだけです。
けど、それだけじゃ少し精神論っぽくなっちゃうんで、僕がデザイナーとして超成長したとっておきの方法を教えます。
ーーそういうの…待ってました!
稲沼:デザイナーとして爆速で成長する秘訣は…人に教えることです。
実は僕はまだデザインで食えていない時からレッスンを始めているんです。もう4年目で70人以上は教えましたね。
これは途中から気づいたんですけど、自分の生徒を教えている時って生徒以上に俺が一番成長しているんだよね。
だから、これからデザインで食っていきたいと思っている人は、低単価でも良いから早い段階で教える経験を積んだほうがいい。
好きなはずの仕事で10円ハゲ。デザイナーからランダムアーティストへ
ーー稲沼さんの最近の活動はもはやデザイナーじゃないですよね?
- 喋るTシャツの制作
- 1ヶ月ラブホ生活
- ランダムアプリ「SHACA SHACA」のプロデュース
デザイナーからこれらの活動に方向転換した理由をお聞きしたいです。
稲沼:ああ。実は2年前に急にハゲたんですよね。
ーーえ…
稲沼:ちょっと変なクライアントと仕事していて、大変な時期だったんですけど「好きなことを仕事にしたのに10円ハゲできるのはなんて…」と、当時は本当にビックリしました。
そこから、仕事を受注するだけのデザイナーは違うなと感じ始めました。
(当時の稲沼さんの記事)
好きなことを仕事にしたらストレスで10円ハゲができた。
ーーなるほど。デザインは本当に好きな仕事ではなかったということですか?
稲沼:そういう意味ではないです。
僕は他人のものではなくて、自分のものをデザインで表現するのが好きだったことに気づいたんです。
それを気づかせてくれたのが「ダジャレでアート」でした。
▲稲沼氏が制作に携わった「布団が吹っ飛んだ」
ダジャレを実際の撮影とグラッフィックを通して1枚の画として作成
稲沼:このダジャレでアートがたまたまテレビやメディアで話題になって!その時はめちゃくちゃ楽しくて!そこから、こういう自分のオリジナルの表現活動で生きていきたいと思うようになりました。
ーー布団が吹っ飛んだ…!面白いですね。他にはどんな活動を行なっているのですか?
稲沼:今はもうランダムグルメアプリの「SHACA SHACA」に全力を注いでいますね。僕自身も「ランダムアーティスト」と名乗っています。
※スマホをシェイクするだけで位置情報から近くのお店をランダムで選んでくれるアプリ。リリース1ヶ月で1万DL突破。
SHACA SHACA!!
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このアプリは今後もどんどんアップデートしていく予定で、様々な機能を追加していきます。もう今は本当に「SHACA SHACA」の活動しかしていないです。
このアプリに全身全霊を注いでいます。
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>>【随時更新】 好きが分からない状態から好きなことで月100万稼ぐまで。ハゲて笑って泣いた4年間の記録
稲沼「フリーランスへのアドバイスなんか知らん。今マジになれ」
ーー最後に、フリーランスをこれから志す人に向けてアドバイスをお願いします!
稲沼:ん? 知らん。
ーー え…
稲沼:いや、マジで「知らん」って書いといてください(※本当に書きました)
やりたければ挑戦してみてばいんです。
別にできなかったから不正解ではないと思ってます。できないならできないで、それは正解。もちろん、できるならできるで正解。
やりたきゃやれば?それだけですよ。
ーー確かに…別にフリーランスになることが正解ってわけではないですもんね。
稲沼:そうそう。だから本当に「今マジになる」しかないんですよ。選択自体に正解も不正解もない。「今マジになる」の連続で選択した方を正解にするんです。
だから選択自体に価値はない。悩む時間がもったいないから、ランダムでサクッと選んでしまえばいいんです。
そしてその選択を全力で正解へ。
みんな、今マジになれ!
SHACA SHACA!!
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インタビューイー:稲沼 竣
ライター:沖ケイタ
写真・動画:廣田貴弘