フリーランスインタビュー

コネなし、スキルなし、借金あり!元板前が語る凡人のためのフリーランス論

「フリーランス初月の利益はたったの1,000円。気がつけば借金も100万円を超えてさ。それでも死に物狂いで頑張って、やっと月収が板前時代の2倍くらいになったんだよね」
そう語るのは元板前の「ぼり」さん。フリーランスとして活躍する傍で、株式会社リバ邸の役員も務める、おデブな31歳。

短期間で驚くべき結果を残すフリーランスに注目が集まりがちですが、ぼりさんは真逆。かなり不器用で、結果が出るまでに時間がかかるタイプの人です。

今回のインタビューではそんな努力型フリーランスのぼりさんに、あえてスポットライトを当てて見ました。
この記事では凡人のためのフリーランス論をぼりさんの経歴を振り返りながら、あなたにお届けします。


ぼり
2016年7月に勢いで板前を退職。その後、板前ブロガーとして活動を開始。レシピブログ、出張板前、料理のオンラインサロン運営など、様々なサービスを展開。一時は借金が100万円まで拡大するも、今では板前時代の2倍ほどの月収を達成。Twitter:@borilog
ブログ:ぼりちゅにてぃ

板前 → ブロガー → 月収1,000円…

ーーぼりさんは最初「板前ブロガー」として独立を目指していたと聞きましたが…

ぼり:うん。勢いで独立してみたけど大失敗。まっっったく稼げなかった。月収1,000円の月とかもありましたし。

 

ーーおお…そもそも、なぜ「板前×ブログ」で独立しようとしたんですか?

ぼり:ブログなら俺もいけるかなって思って(笑)当時、僕はハイパーリバ邸というシェアハウスに住んでいました。そこの住人にはブログで生活している、いわゆるプロブロガーと呼ばれる人もいて…そいつら普通に昼に起きてきたりするんですよ!
いや、すごいのはわかりますよ。けど、それでもあまりにも労働時間が少なすぎると思って。これなら俺でもいける!時間ぶち込めば勝てる!と意気込んだのですが…

 

ーーなるほど(笑)

ぼり:あと実はセコい考えも頭の中にあった笑

 

ーーセコいこと?

ぼり:僕が独立を目指した時はちょうどハイパーリバ邸というシェアハウスの立ち上げの時でした。当時はクラウドファンディングで200万円以上集めてたし、あんちゃ宮森はやとみたいな有名な人もいて注目されてたんですよね。
だから俺も、その波にのって「ハイパーリバ邸のぼりだぞ☆」ってアピールしまくれば、たくさん仕事がくると思ってて…

 

ーー結果は?

ぼり:1件も仕事こなかったですね…

 

ーーああ…

借金100万円! ぼり「変なプライドは捨てて、バイトしろ」

ーーブログで稼ぐのに失敗した後は何をしていたんですか?

ぼり:色々やりましたね。もともと板前だったんで、出張料理人とか料理のオンラインサロンとか。けど、正直あんまり稼げなかったです!はい!

 

ーー元気だけは良いですね。けど、生活する分のお金はどうしていたんですか?

ぼり:借金でつないでいました。MAXで100万円まで借金が膨らんだこともあります。ちなみに今でも借金は残っています。

 

ーーそれはつなげていないですね…いま振り返ってみて、当時の失敗の原因ってどこにあったと思いますか?

ぼり:頑なにバイトを拒んでいたことですね。フリーランスだからって謎にプライドが高かったです。そこで僕はある日から自分に罰則を課すことにしました。

 

ーー自分への罰則?それはどういうことですか?

ぼり:8000円以上稼げる板前の仕事を取ってこれなかったら、罰として翌日に肉体労働のバイトをいれることにしました。1日でレンガ4000個とか運んだこともありますよ。あのときが一番キツかった。
なんで俺、会社辞めて炎天下で山積みのレンガ運んでんだろ?」って笑

 

ーーそれはかなり気合の入った罰則ですねw

ぼり:けど、それで気づけたんですよね。安定収入が無いって本当に恐ろしいことだったっんだなって。借金の不安を抱えたままじゃクリエイティブなことはできない。常に目先の小さい利益だけを追ってしまうので、ほとんど失敗するんですよね。

 

ーーバイトを通して気づけたのですね!フリーランスを目指している人の中には「バイトは時間の切り売り!絶対ダメ!」みたいな風潮もありますしね。

ぼり:変なこだわりは捨てて、生活で足りない分はバイトで稼げばいいんです。割のいいバイトは探せばいくらでもあるし、残りの余った時間で夢を追えばいい。
もっと言うなら、いきなり会社を辞める必要もないんです。
土日や仕事以外の時間を全部活用すれば生活できるだけの稼ぎを生み出すことも可能です。

ドン底から逆転。ぼりが語るフリーランスのための営業術

ーー ぼりさんがドン底から這い上がることができたきっかけを教えてください。

ぼり:僕が大逆転できたのは「営業」を学んだからです。そのおかげで月収も40万円を超えるようになりました。

 

ーー月収40万円!それは大逆転ですね。営業の話、もう少し詳しく聞かせてください。

ぼり:僕が稼げてなかった時って仕事の提案を全くしなかったの。ブログにお問い合わせフォームを作って、ずっと待ってた。
それをやめて、気になった企業があったらどんどんメールを送るようにしたら、収入が爆上がりしました。

 

ーー受け身はダメってことですね。営業メールのコツもお聞きしたいです。

ぼり:例えば「御社のお困りのところは〜ですよね。その課題、私なら今の予算の3分の1で解決できますよ!」って論理的に提案できれば絶対に仕事はとれますよ。だって相手にとってもメリットしかない提案ですから。
BtoBで行われている仕事よりも安い値段で提供できるのはフリーランスの強みですからね。

 

ーーそう言われると確かにシンプルですね。ぼりさんの過去の営業エピソードもお聞きしたいです!

ぼり:営業したおかげで、企業から純広告を獲得できたことがありました。その企業は飲食の求人サイトを他の広告手段で集客していたんですが、コスパ悪いなって思いまして。
ちょうど僕のブログの板前時代の記事が読まれていたので、その企業に提案しました。
「うちの記事の読者と御社の求人サイトの相性はかなりマッチしていると思います。月額〜円で広告掲載可能ですが、いかがでしょうか?」って。
そしたらサクッとOKでましたね!

ぼりさんの営業ノウハウがまとめられたnoteはこちら
>>企業への純広告提案文のテンプレート

フリーランスはゴールじゃない!もがいているあなたへメッセージ

ーー昔のぼりさんのようにフリーランスに挑戦してるけど、上手くいっていない人に伝えたいメッセージを教えてください。

ぼり:「目的と手段を、はき違えるな」ってことを伝えたいです。フリーランスってただの手段なんですよ。
例えば「満員電車に乗りたくない!」っていう目的を達成したいなら、会社員でもOKなんです。フルリモートの仕事を選べば、別にフリーランスになる必要はないじゃないですか。

 

ーー確かに…フリーランスになることがゴールになっちゃてる人は多いかもしれません。

ぼり:フリーランスという働き方は手段の1つなのに、フリーランスになることが自体が目的になっている人は絶対に成功できないです。目的と手段がごちゃごちゃになってますからね。
あと、「フリーランス=好きなことで生きていく」みたいに思ってる人もいるかもしれませんが、実際にやってみたら、好きなことできるの2割くらいですよ(笑)

 

ーー確かに、そこで躓いてる人は多いかもしれませんね。
しかし、一方で「実現したい夢のためにフリーランスという働き方を選んだ!けど、うまくいかない…」って人もいると思うんです!そういう人たちはどうすればいいんですか?

ぼり:とにかく一歩の歩幅を小さくしましょう。有名ブロガーのイケダハヤトさんのツイートがすごく的を得ていると思っていて。


ぼり:いきなり学校に入学する必要はない。お金も時間もかかる。その結果、行動できなくなってしまうし、やっとの思いで入学した後に「やっぱりお菓子屋さんは自分に合わないなぁ…」って気づいたらどうするの?って話。
イケハヤさんもブログで言及していますが、お菓子屋さんやりたいなら、まずはリスクが少ないネット販売や家賃の安い田舎の空き家とかで始めればいいんです。
もっと小さく。もっと歩幅は小さくていい。
本当に小さいことでいいから一歩踏み出しましょう。

(イケダハヤトさんの記事)
「お菓子屋さんになりたいから製菓学校・専門学校に入学する」という思考の落とし穴。

 

ーー数々の失敗を乗り越えてきた、ぼりさんの言葉には重みがあり、ものすごくリアリティーを感じました…!本日はありがとうございました!

 

ぼりさんが役員を務める株式会社リバ邸がクラウドファンディングに挑戦中!ぼりさんに相談できる「ぼりのガチンコ相談室」のリターンもまだ残っていますよ。
>>【リバ邸2.0】自由なアウトプットの場・現代の駆け込み寺の新たな第一歩!

インタビューイー:ぼり
ライター:沖ケイタ
写真:草葉あゆみ